芳香植物は、昔から幸せと健康を求める人々に愛されてきました。
医療や化粧、宗教、魔術などの儀式にも活躍していました。
古代文明では、香りは珍重され、儀式に使われたり、芳香油を肌につけて肌をやわらかくしたり、よい香りを身にまとい魅力を引き出したりするためにも使われていました。
現代でも、香りを上手に使って魅力を引き出す役割をもっています。いつの時代も変わらないのは、香りを身につけたいと思う心でしょう。
古代エジプトで有名なクレオパトラ。
彼女は、ローズの香りで人々を魅了したといわれています。
クレオパトラが、アントニーを誘惑したときには、床の46cmまでバラが敷き詰めらていたそうです。
古代エジプトでは、豊かな生活環境の人々、つまり今風に言うとセレブ、エグゼブティブの人々は、芳香油で体をマッサージしたりして、皮膚を柔軟にしたり、保護していました。
また、紀元前1320年のツタンカーメンのお墓から乳香、樹脂、スパイクナードが含まれた練り香りが出土されました。
出土されたとき、まだ香りが残っていたようです。
古代アテネで、裕福な人は、宴会のテーブルに香りのよい花を入れた袋や練り香のびんを置いて楽しみました。
また、芳香油には薬効があると、マッサージなどにも使用されていました。
ローマの人々は、健康によいと、公衆浴場を作り、入浴後に、アロママッサージを受けたり、女性は、ローズウォーターを体につけたりしていました。
当時は、男性も積極的に香りを取り入れていたようで、顔を蒸しタオルで覆った後、芳香油を使って肌を整えていました。
植物の薬効についてはローマから始まり、2世紀に皇帝マルクスの主治医ガレンが知識を本にしました。
ガレンは、軟膏に水を加えコールドクリームを発明したり、マッサージの効果を解き明かしたりしました。
中国では、「体身香」があり、体の中から発せられるよい香りは、女性の身だしなみでした。
このころの裕福な家では、女性の体臭をよい香りにするために、秘伝の香りを服用していました。
香りを贅沢に使えるかが8世紀ごろのステータスだったようです。
香りで有名なのが楊貴妃
楊貴妃がすんでいた屋敷は、「沈香亭」(じんこうてい)と呼んでいたようです。
柱は、沈香や白檀、壁は麝香、乳香などをねりこんだ壁、だそうですごい香りだったでしょうね。
さらに、楊貴妃の「体身香」は、どうやら麝香や龍脳と呼ばれる香りだったようです。
また、中国では、紀元前200年ごろに「神農本草経」がまとめられました。
この中には、365種類の植物が医薬品として記載されています。
インドでは、伝統的な医学であるアーユルヴェーダで芳香植物は使われています。
西洋医学が入ってくる前までは、アーユルヴェーダーは、医学などの役割を担っていました。今でも比率は変わっているようですが、使われています。
今流行のデトックス(毒素排出)はインドでは、古代から行われています。
日本でも、香りは使われていました。
菖蒲湯、ゆず湯、と入浴にいれています。
また、平安時代には、香を焚き、また、香をいれたにおい袋なども体臭を消すために使われています。
香道は、裕福な人々の身につける教養のひとつとされていました。
昔の香りで珍重されていたものは、正倉院の中に保管されています。
正倉院の中に保管されている香木の中で有名なのが、「蘭奢侍」(らんじゃたい)です。
「蘭奢侍」を切り取った人物は、足利義政、織田信長。
正倉院には、沈香などの珍しい香木から、麝香(じゃこう)、白檀(びゃくだん)、丁香(ちょうこう)、木香(もっこう)、桂心(けいしん)、薫陸(くんろく)、琥珀(こはく)、香附子(こうぶし)、甘松香(かんしょうこう)、胡同律(こどうりつ)などが保管されています。これらは、薬の原料として使われていました。
桂心は、シナモン。
胡同律は、胡椒。
日本でも、香りは薬として古くから使われたり、香道として文化として息づいています。
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